茶道や華道に流派があるように、着付けにも昔ながらの伝統的な着方もあれば、着付け教室や着物学院によっては独自の着方もあり、着付けの方法は必ずしも1通りというわけではありません。
親から代々受け継いだ着方であれ、着付け教室で学んだ着方であれ、その着付け技術が多くの人々に支持されていて、かつ「きれいに着物を着る」という本来の目的が達成されるのであれば、どのような方法であっても問題はないでしょう。
しかし、もし着付けの先生が「うちの着付け教室では、必ずこの器具を使って練習します」というように、市販されていないような特殊な器具を生徒に無理やり押し付けたり、強制的に購入させたりする場合には注意が必要です。このような強制は、生徒を不愉快な気持ちにさせるだけでなく、不必要な出費をさせるようなことにもつながりかねません。
現在、着付けに使用される小物類は、便利なものがさまざまに市販されており、一般的には、市販されている着付小物があれば、きれいに着物を着ることは可能です。
一方で、市販されていない特別な着付け小物を使うことにもメリットがあることは否定できません。
まず、その小物を使うことで着付けが簡単になるということです。きもの学院等で開発された特別な道具の中には、使いやすくて短時間で着物が着られるようになる道具もあります。
また、特定の器具を使用することは指導者にとってもメリットがあります。着物にはいろいろな着方がありますが、指導方法をひとつに決めることができるため教えやすくなるのです。
着付け教室によっては、特定の器具を使う方法以外は教えてくれない場合もあります。また、教えるのは次のコースに進級した人だけという教室もあります。
ですので、特殊な器具を使わない手結びの着付けを習いたい場合には、最初から市販の道具だけで受講可能な教室を選ぶことをオススメします。
特殊な器具がなくては着物が着られないなどということはありませんので、着付け教室を選ぶ際には、このような器具の強制や押し売りがないか?ということも考慮に入れておくとよいでしょう。
参考記事:お揃いの小物を全員に販売する目的で運営されている着付け教室も
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